
(現在はデザインが少し変更されています)
《秘境駅ランキングに入ったこともあるけれど》
中根駅は、両隣の金上駅、那珂湊駅とは、駅間距離が(湊線にしては)長く、その間の車窓は田園風景。季節によってまったく異なる景色が堪能できます。
※2014年、当駅と那珂湊駅の間に、高田の鉄橋駅が開業しました。

中根駅は田んぼの真ん中にあり、周囲に建物がほとんど見当たらないため、「秘境駅ランキング」にも入っています。
でも多くの秘境駅とは違い、周りは無人地帯ではなく農地なので、農作業をする方々の姿はよく見られますし、田園地帯を走る列車の姿をとらえようと、カメラを構える人の姿もよく見かけます。
駅から徒歩20分強の所に、虎塚古墳という前方後円墳があります。駅名標に銅矛と前方後円墳が図案化されていました。

この駅のホームも長くて広いです。真ん中あたりに花壇がありました。
近隣の見どころ
虎塚古墳

中根駅から細い川を渡って、田んぼの間の道を進み、その先の山へまっすぐ入っていきましょう。意外と車がよく通るので、気をつけて歩きます。
畑の中のまっすぐな道から右に折れ、案内板に従ってもう一度右折。麦畑の隣に、虎塚古墳がありました。徒歩だいたい25分。
虎塚古墳は、国指定史跡の前方後円墳。全長56.5メートル、高さ5.5メートル。
上に木が生えていることもあり、パッと見、古墳というより芝生公園に見えますが、7世紀前半頃に築かれた、正真正銘の前方後円墳です。
前方・後円それぞれの丘の形と、周りを囲む堀がはっきり見てとれます。
内部の石室は、ベンガラの紅色でさまざまな文様が描かれているそうです。毎年、春と秋にそれぞれ10日間ほど公開されます。
埋蔵文化財調査センター

虎塚古墳から林を抜けると、わずか2分で到着。標本陳列室で、市内各遺跡からの出土品を見ることができます(入館無料/月曜日・年末年始休館)。
時代ごとに展示されていて、旧石器時代から縄文、弥生、古墳時代と、土器のデザインの変遷がよくわかります。
地元の小学生の皆さんが描いたレポートが貼られ、楽しい雰囲気。
土偶や、古墳時代の埴輪もあります。虎塚古墳からは、さびた剣や環などの副葬品を展示。
大平古墳の墳丘断面。十五郎穴から出土したものをはじめとする大刀。
そして、虎塚古墳石室の実物大模型がありました。もちろん本物と違って、通年見られます。
あの芝生の丘の中に、1,400年近くも前にこれが描かれていたというのが驚きです。
十五郎穴

虎塚古墳から、埋蔵文化財調査センターと逆の方向へ進み、麦畑の脇から森の中へ入ります。
途中の急な下り坂を、足元に気をつけて歩くと、田んぼの脇の崖に、石をうがった横穴がいくつも並んでいました。
これが十五郎穴。奈良時代の墓地の跡だそうです。34基が茨城県指定史跡となっていますが、ここ以外にも横穴墓群は存在し、全体では数百基あるとみられているそうです。
中根の湯 はこや旅館

十五郎穴から、高速道路(東水戸道路)沿いに南へ歩くと、5分ほどで着きます。中根駅からだと12分ほどでしょうか。
旅館ですが日帰り入浴も可能(¥700)。400年以上の歴史を持つ温泉宿ですが、建物は新しくてきれいです。
浴槽はあまり大きくないものの、れっきとしたラジウム温泉。歩き疲れた体を休めるのにちょうどいい感じ。
窓の外に広がる田園風景。東水戸道路も見えました。
ひたちなか海浜鉄道 湊線
勝田 – 日工前 – 金上 – 中根 – 高田の鉄橋 – 那珂湊 – 殿山 – 平磯 – 磯崎 – 阿字ヶ浦
※2010年に書かれた「ゲイムマンのひたちなか海浜鉄道沿線案内」を再録したものです。